ゲーミングマウスのクリック応答特性を比较するThe measurement of gaming mouse button lag

オリジナル記事ソース:http://utmalesoldiers.blogspot.tw/2013/02/114.html#comment-form_6669987833195700060)

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(14/11/15) Bloody TL8 修正

(14/9/7) Logitech G402 Hyperion Fury(fw90.0.14),Razer Abyssus2014,ZowieGear EC2eVo 追加

(14/7/18) Logitech G502 Proteus Core(fw88.2.16)追加

(14/7/12) Bloody TL8追加

(14/7/5) A4tech XL-740K追加

(14/4/27) Logitech G502 Proteus Core(fw88.1.13)追加

(14/2/10) Steelseries Rival(firmware1.2.0.0),KonePure(firmware1.19),KonePure(firmware1.20)追加

(14/1/9) Elecom M-XG3G 追加

(13/12/9) Steelseries Kana V2 (firmware 114) 追加

(13/12/9) CMStorm Recon (firmware 1.18) 追加

(13/08/28) Logitech G100s追加

(13/07/28) CM Storm Recon (firmware 1.10) 追加

以前お手軽にマウスのクリック反応速度測定という記事にて
遊びでマウスのクリック速度を調べる方法を書いた。

今回そこからもう一歩踏み込んで
何かの参考にはなるデータを取る事を目標とし実験を行ってみた。

特に入力デバイス好きな方に目を通して頂ければ幸いです。

テスト環境

測定概要 The testing method



上記の処理にかかる時間について、マウス毎の個体差を比較したいというのが趣旨となっています。

絶対値を計測するのは、ハード&ソフト両面で高度な技術を要するので素直に諦めて相対値の計測を目標とします

この調査するに当たって必要となる条件を考えると


  1. 上記①のタイミングを完全に揃えること
  2. 何らかのソフトウェアを利用し、OS上でクリック処理がされた時間を比較すること

以上の二つさえなんとかすれば

ほぼ純粋な意味でのボタン応答速度の差を知ることができそうです。

以下このシンプルな理屈に基づいて進めていきます。

ただ残念ながら自分には、そうすchの凄い方のような

ソフトウェア制作スキルがありません。

今持っている物・使える物を組み合わせ、実現しようということで上図のようになりました。

測定手順は以下の通り。

  1. スイッチ治具を作る。
    ※単純に一つのマイクロスイッチのNO側端子から並列に配線を出しただけのもの
  2. 比較する二つのマウスの基板を取り出し
    それぞれのスイッチパターンへ半田付け
    ※右クリック担当側を基準マウスとする
  3. USBハブを通して2つのマウスをPCへ接続
    ※できるだけ標準偏差を小さくするためポーリングレートは1000Hzで統一
    ※ハブへの接続ポートの箇所に依らず測定結果に差が出ないことは確認済み
  4. PCでMouse Shooting Speed Test v1.6を用い測定。
    50回サンプルを取り、その平均値(ms)を算出する。
    基準マウスに対する相対反応速度が解る。
    ※サンプル回数を必要最低限にしたのは
    このソフトにはデータをエクスポートする手段が無いため
    全て手動入力で集計する必要があるからです。
    何百回のサンプルを取るのはUnrealな労力:(

相対値しか解らないというのがネックですが

結果的に、それなりの精度で比較をする事ができたと思います。

基準マウスを何にしようか悩みましたが、応答が高速かつポピュラーなマウスにした方が良いと思い

amazon.co.jpゲーミングマウスランキングで安定してトップ3の地位を保っているG300にしました。

ポーリングレートを1000Hzにできないマウスについては注釈を入れています。

測定風景はこんなんです。※Taipanを計っている時

この右のスイッチを押すと二つのマウスへ電気的にほぼ同時に

クリック押下の信号が発生するというわけです。

ほんとなら電子的なスイッチングを利用してもっとスマートな形ができるのでしょうけど

これで必要十分に機械的な要因は除外されるのでOKとします。

しかし全マウスを分解し基板を取り出すため

保証を失い、ソールを失いと払った犠牲は大きかった…

まぁ幸い一台も潰すことなく組み直せたので良しとします。

测试结果 The result

クリックすると拡大します

左へ行くほど反応が速いマウスです。※数値の単位はミリ秒(クリックすると拡大します

簡単にまとめると

  1. Bloody TL8、IkariOptical、Xornet(fw5x)が最速のライン
  2. 基準としたG300より速いマウスは少ない
  3. Logitechが全体的に高速
  4. 個体差が大きい ⇒ 一位と最下位の差は30msを超える
  5. ファームウェアのクリック判定コード次第で応答速度は大きく変化する
    ⇒ Xornet、SentinelAdvance、Recon、DRTCM38、DeathAdder3500、KonePureの結果参照

以上ザックリとした実験内容ですが、どうだったでしょうか。

IME3.0&DiamondBack&G3 Opticalは125Hzで計測したので

標準偏差が大きくそれぞれ 2.6ms 2.2ms 2.7ms ほどありました。

※1000Hz計測のマウスはほとんど1ms以内に収まる

ポーリングレートが低いとこのように応答のバラつきは大きくなりますが

基本的な応答特性には関係しません。

1000Hzで計測している多くのマウスが125HzでのDiamondbackより

遅い反応となっているのを見て貰えばと思います。

全体的に優秀なのはLogitechのGシリーズですね。しかし私は形が合わないため使えません…

終わりとなりますが、順位に意外性は無く納得がいくものとなりました。

実際にUTで使ってみて、体感したレスポンスとほぼ合致します。

つまり感覚が染みつく程やり込んでいるPCゲームがある方ならば

体感だけである程度の判断が可能だと感じます。

例えば慣れ親しんだFPSタイトルで即着武器をスパムりながら遊んでいれば

「あっこのマウスは反応良い(悪い)な!」って感じ取れるしその信憑性は意外と高いはずです。

何年も前から感覚上モヤモヤーっと感じてたものが

今回データで裏付けが取れたので意味はあったのかな…

だけどもう二度とやりたくないYo:P

おまけ

せっかく全マウスばらしたので少しだけ写真を。

Taipanのセカンドセンサーを接写。

単なる赤外線送受信素子のようです。

G500のホイール回り。

このマウスだけは分解する時少し神経を使いました。

荒々しく作業すると細かい部品を無くす恐れあり。

他のマウスと比べ精緻な造りで見惚れます。